『結婚式前夜』

人妻,大人の読み物

この身体を抱くのも今日で最後か……
私は愛おしむように、朝美のまだ弾力を失わない豊満な乳房の片方を力強く揉み、もう片方の乳首を口に含んだ。
ゆっくりと味わうように舌で転がし、音を立て吸った。
乳首がみるみる硬くなる。
「ああ、お義父さん……」
朝美が私の頭を抱く。
胸に押し付ける。
「武史が亡くなって二年……夫がいないというのによくこの家に留まって私の世話をしてくれたね……感謝してるよ……」
そうつぶやいては、また吸い付く。
「ああんっ……お義母さんを亡くしたお義父さんをひとりにして、この家を出るなんて私には出来なかったの……」
「ありがとう……でももう明日から私のことは気にかけることはないよ、君はもうこの家に縛られることはない。新しい人と幸せになりなさい」
「ああっ、お義父さん……もうお義父さんと一緒に暮らせないなんて……私、寂しい……でも、お義父さんのことは一生忘れません」
私は朝美の脚の間に割って入り、手を添えなくても位置がわかる朝美の熱いぬめりの入り口に、腰の動きだけで自分の先を押し当てた。
中を押し分け入っていく。
今日はいつもにも増して朝美の中は熱かった。
根元まで入ると、朝美は歓喜の表情で顎を仰け反らせ、朝美の中が、私のものを確かめるかのように、何度も締めつけてくる。
「でも、本当に惜しい身体だよ、朝美……この身体をもう抱けなくなると思うと」
「はあっ、私もです。でもお義父さんが私をこんな身体にしたの……お義父さんがいないと私、私……お願いです。最後にたくさん、たくさん朝美を愛してください。お義父さんの好きなだけ!」
朝美を腰の動きだけで突き上げながら、乳房の間に顔を埋める。
子どもが母親の胸の中で駄々をこねるように、私は柔らかく弾力のある肉の間で首を左右に振る。
「ああ、朝美、やっぱりお前を失うのは耐えられない。明日の式は取りやめにしてもいいんだ。あとのことは何とかする」
「ああっ! そんな、いけないわ、お義父さん!」
腰を掴み、朝美を激しく揺さぶる。
乳房が時間差で上下に振れる。
結婚を決めたことに対する後悔と怒りが混じったような感情。
その思いを朝美にぶつけているかのようだった。
「今日で、私のことは忘れてください。でないと、相手の方に……あの方は本当に誠実な人です」
伴侶が死別したことを知って、朝美と私に親身になって気遣ってくれた。そしていつしか恋が芽生え、何度も何度もプロポーズをしてくれた相手。
それほどまで自分を愛してくれる人、そんな人を裏切ることは出来ない……。
私は朝美の言葉に腰の動きを緩めた。
「朝美、わかった。じゃあ、最後に、朝美……いいね?」
「ええ、いらしてください! 朝美の中に……今までで一番たくさん……好きなだけ!」
朝美の両脚が私の腰に回される。
腰が朝美に引き付けられた。
「来て……好きなだけ、たくさん……」
その言葉に不意に射精感がこみ上げる。
腰を強く打ちつける。
そのたびに、細い身体が弧を描き弓なりに反ってゆく。
そして徐々に私を絞り上げる。
「ああぁ、いくぞっ! 朝美!」
「私も! 一緒に! 来て! お願い! 出して! 出して! いっぱい! あなた-っ!」
「ぐぅ!」
私はたまらずその締め付けの更に深くへ吐き出した。
快感に顔をゆがめ、朝美に体重を預ける。
朝美が腕と脚で私を強く締め付ける。
二三秒朝美が硬直したのがわかった。
その後朝美の身体から力が抜ける。
長い射精が終わると、ふたり荒い息のまま見つめ合った。
私の頭を撫でながら、朝美が囁いた。
「お義父さん……結婚おめでとう……あの方と絶対幸せになって……」